Vol.9
かわかみ外科・整形外科クリニック  
http://www.kawakami-clinic.com/
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【なるほどコラム】下肢静脈瘤

 下肢静脈瘤は、「足の血管が膨らんでいる」、「足がむくんだり、だる
い、つりやすい」などの症状がでる、女性に多い疾患です。理由は簡単で
す。妊娠・出産が契機になることが多いからなんです。妊娠すると、赤ちゃ
んが、腹部で、大静脈を上から圧迫します。
そうすると静脈血のうっ滞が起こり、下肢の静脈が拡張します。このとき、
静脈弁が壊れて、血液が逆流するようになるのです。  

長時間の立ち仕事も、原因となります。美容師さんなど店員さんは、経
験されている方もいらっしゃるかもしれませんね。自覚症状がないことも
多いのですが、足のだるさを訴える方が多いです。  

血液が逆流する主な部位は、大腿の付け根(大伏在(だいふくざい)静
脈)と膝の裏側(小伏在(しょうふくざい)静脈)です。ただ、穿通枝(せ
んつうし)といって、その他の部位でも逆流が起こることもあります。

●診断  
診断をするとき、静脈瘤そのものは見ればわかります。問題は逆流部位
です。通常は、ドップラー聴診器を用います。ドップラー聴診器とは、水
(血液)の流れを音に変換してくれる器械です。
●治療  

診断が決まれば、次は治療です。治療の基本は逆流血管の結紮(けっさ
つ)です。これは逆流を起こしている静脈を調べ、その血管を結紮(しばっ
て閉じる)することで逆流をなくす治療法です。局所麻酔で、小切開にて
行います。  

数年前から、静脈瘤内に硬化剤等を注入する硬化療法(こうかりょうほ
う)がさかんに行われるようになりました。入院も不要で、痛みも少ない
ためです。
しかし、硬化療法だけでは、原因治療になっていませんので、再発する確
率が高くなります。もちろん、静脈瘤のタイプによっては、硬化療法のみ
でも治癒する場合もありますが、太いものは難しいでしょう。  

以前はストリッピングという、静脈を抜去してしまう方法が主流でした。
ちょっと痛々しい話になりますが、この方法は足の付け根から、足首まで
細いワイヤーを通して、血管を抜いてしまうのです。侵襲が大きく、入院 ・
麻酔が必要であることと、結紮術と硬化療法の組み合わせで多くは治療
可能であるため、最近は施行例は少なくなりました。  

結紮術も硬化療法もいや、という方は、弾性ストッキングの装着がよい
と思います。
(ストッキングはけっこうきついため、装着は大変ですが。)

●予防  
下肢静脈瘤の予防法としては、立ち仕事をしているときは、なるべく歩
き回る、足踏みをすることです。これにより、筋肉のポンプ作用で血流が
よくなります。休憩中や睡眠時は足を高く挙げること(できれば心臓より
高く上げる)。妊娠中はなるべく仰向けに寝ない、等です。

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2004(c)Kawakami Surgery and Orthopedics Clinic.