Vol.8
かわかみ外科・整形外科クリニック  
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【なるほどコラム】薬九層倍

  以前は、病院に行って薬をもらう、というのは普通のことでした。でも 最近は、大きな病院だと、周囲に調剤薬局がありますよね。 ちょっと不思議ではありませんか?

 これは、基本的には厚生労働省の方針に沿ったものなんです。いわゆる “医薬分業”です。

 では、どういう仕組みになっているのかというと、薬を処方すると病院 には“処方箋料”というお金が入ります。通常は690円。でも、ある工夫を すると710円になります。この“ある工夫”とは、後発医薬品にする、とい うことです(ゾロとかジェネリック医薬品、と呼ばれています)。

 処方する薬の全てでも、一部でもよいのです。後発医薬品を処方すると、 多くの場合、薬価は1/2から1/3になります。患者さんが薬局で支払う窓口 負担が減るわけです。

 おもしろいのは、処方薬の種類が7種類を超えると、この処方箋料は410 円に減額されてしまうことです。後発医薬品を使っても、430円です。いわ ゆる“薬漬け”をやめさせようとする、厚生労働省の作戦です。

 これらの収入が、院内に薬剤を在庫し、管理する手間や薬剤師さんにかか るコストを上回る、というのが多くの病院の判断なわけです。 (まあ、入院患者さんのいる病院には、点滴や薬剤の管理のために薬剤師さ んがいるのが普通ですから、この場合人件費はあまり関係ないのかもしれま せん。)

 ですから、院外薬局でお薬を受け取る場合には、湿布1袋でも、また、 抱えるほどたくさんでも、基本的に病院に入る収入は同じ、ということに なります。たくさん出せば儲かる、ということではありません。

 昔は、薬九層倍、といって、納入価格(もしくは製造価格)が非常に安 く、販売価格が高いものの代名詞のように言われてきました。とっても儲 かったのです。

 しかし現在では薬価そのものが毎年のように引き下げられ、順調に売れ ているにもかかわらず、“儲からない”と言う理由で製造中止になる薬剤 が後を絶ちません。 長年、使い慣れた薬が、ある日突然、手に入らなくなるのです。

 製造ラインが老朽化した場合、新しく作り直すには、コストがかかりま す。設備投資しても、割に合わない、という判断です。

 新薬の開発にも莫大なコストが掛かり、大手の製薬会社の合併が相次い でいます。厳しい時代ですね。

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