Vol.11
かわかみ外科・整形外科クリニック  
http://www.kawakami-clinic.com/

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【なるほどコラム】腰部脊柱管狭窄症

 たまには整形外科らしいお話をしましょう。「腰部脊柱管狭窄症」は、
読んで字の如く、腰の神経が走っている部位が狭くなり、神経が圧迫され
ることにより発症する病気です。

 この狭窄の原因は、いろいろありますが。ひとつの原因から起こるので
はなく、多数の原因が複合して起こる病気、と考えた方がよさそうです。

 代表的な原因としては、加齢によって起こる骨棘(こつきょく:骨に出
来るトゲのような出っ張り)や、靱帯の肥厚(ひこう:厚く堅くなること)
等です。これらによって、神経が圧迫されるのです。

 症状は、圧迫される部位により異なり、馬尾型(ばびがた)、神経根型
(しんけいこんがた)、混合型に分類されます。

 馬尾型では、下肢や臀部・陰部の異常知覚、膀胱・直腸障害を特徴とし、
神経根型は下肢や臀部の疼痛を特徴とします。混合型は両者の合併、もし
くは混在した症状です。

 膀胱・直腸障害とは、尿意・便意の消失や障害のことで、これがあると、
積極的な手術適応になります。おしっこのたまる感じや、出る感じがわか
らなくなったら、大変ですよね。

 そして全ての型に共通する、最も特徴的な症状は、間欠性跛行(かんけ
つせいはこう)です。これは、しばらく歩行するうち、腰痛や下肢の疼痛
やしびれ感が出現し、歩けなくなるのですが、しばらく休憩するとまた歩
けるようになる、という症状です。

 診察していて難しいのが、同様の症状が別の病気でも起こる、というこ
とです。「閉塞性(へいそくせい)動脈硬化症」、という病気です。簡単
に言うと、足の血管が細くなってつまる病気です。
同じことが頭に起きると脳梗塞、心臓に起きると心筋梗塞になります。

 通常は鑑別可能ですが、ご高齢の方の場合、両方合併していることがあ
り、どっちもあるけど、どっちが主か、と悩みます。まあ、両方いっしょ
に治療してしまいますけど。
 話を脊柱管狭窄症に戻します。次は検査です。単純X線、CT、MRI等です。
責任病巣(ここが狭いのがいけないんじゃ〜、という場所)の決定とどれ
くらい狭いのか、という評価です。
診断に難渋する場合や、術前などでは、脊髄の造影検査(脊髄に造影剤を
注入して、X線透視装置で見ます。針を刺すので、当然、痛いです)、神経
根造影(背骨から、神経が出てくる部位の造影で、通常、麻酔薬も一緒に
注入するので、これで症状がよくなれば、責任病巣の確認と治療が一緒に
出来ます)等も行われます。

 いよいよ治療です。患者さんはご高齢の方が多いので、保存的治療が中
心です。痛み止めの服用や湿布の塗布、理学療法等です。理学療法は牽引
や、低周波、マッサージベッド等、いろいろなものがあります。当院では
鍼灸が好評です。

 硬膜外ブロックや神経根ブロックが著効する場合があります。ただ前か
がみになって歩く、というだけでも効果があります。

 手術を行う上記のように、膀胱・直腸障害がある場合や、保存的治療で
十分な効果が得られないときです。狭い部分を広くする、開窓術や椎弓切
除術が中心となります。

 数年前から、プロスタグランジン製剤が奏功する、という文献をちらほ
ら目にします。高価な薬ですが、あんまり効果があるようには感じません
ねえ。高価、と言っても、多くの方が服用されているサプリメント・健康
食品よりは安いのですが。
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2005(c)Kawakami Surgery and Orthopedics Clinic.